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今月の本(2010年11月)

今月は病に倒れている最中に本を読んでいたので、多めに読めました。

貴志 祐介「天使の囀り」
☆☆☆☆☆

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた「死」に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。

リングと似ている雰囲気が好感を持てる、ホラー小説です。この手のホラー小説は結構好きなので長編ですが、さらりと読み終わりました。ホラーでありながら、終末期医療に立ち向かう主人公の気持ちがなんとも切なくさせてくれます。

荻原 浩「メリーゴーランド」
☆☆☆

過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。愛する妻に子供たち、あぁ毎日は平穏無事。・・・・って、再建ですか、この俺が?あの超赤字テーマパークをどうやって!?でも、もう一人の自分が囁いたのだ。≪やろうぜ。いっちまえ≫。平凡なパパの孤軍奮闘は、ついに大成功を迎えるが・・・。笑って怒って、時々しんみり。ニッポン中の勤め人の皆さん、必読。

解説の人は「さわやか」で「苦い」と表現していけど、他の作品に比べると終始、さわやさが漂う小説でした。僕も荻原小説は4冊目になるので、もう少しインパクトが欲しいなと思ってしまう。というか、ここで満足できないって事は幸せなサラリーメンではないってこと!?

宮部 みゆき「返事はいらない」
☆☆☆

失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。「火車」の原型ともいえる「うらぎらないで」。切なくあたたかい「ドルネシアにようこそ」など6編を収録。日々の生活と幻想が交錯する東京。街と人の姿を鮮やかに描き、爽やかでハートウォーミングな読後感を残す。宮部みゆきワールドを確立し、その魅力の全てが凝縮された山本賞受賞前夜の作品集。

久々に宮部みゆきを読みたくなって嫁母に借りた本をあさって見つけました。さらりと読めてイメージもしやすい文章なので疲れているときにもお勧めできる短編集です。各編とも読み終わった後に「ほっ」としてしまう辺りが宮部ワールドなのかもしれません。残酷なイメージばかり持って読んでいるからとも言えますが…

山田 悠介「レンタル・チルドレン」
☆☆☆

愛する息子・優を病気で亡くした泰史と冬美は、子供のレンタルと売買をしている会社P.I.を紹介された。二人は、リストの中から優と瓜二つの子供を見つけると、迷わず購入を決める。しかし一ヶ月後、その子供は急速に老化し、顔が溶けていく・・・。泰史は真相を求め、P.I.の研究所に忍び込む。そこでは、日夜恐ろしい実験が繰り返されていた!

上の説明がすべてです。ラストがいまいち納得いきません。でも、泰史の気持ちはわかる気がします。マンガのように読めるので疲れている人にお勧めです。これも位置づけとしてはホラーなんでしょうか。

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